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2014年1月 7日 (火)

パソコンで作成された遺言書の効力・その1

日頃の業務の中で,「パソコンを使って書かれた遺言書は有効か?」というご相談を受けることがあります。

このご相談に対する答えは,
「(秘密証書遺言でない限りは)遺言書としては無効」です。

遺言の種類

遺言について定めているのは民法という法律ですが,民法は,普通方式の遺言として,①自筆証書遺言,②公正証書遺言,③秘密証書遺言の3つを定めています。

①自筆証書遺言

①の自筆証書遺言は,

ⅰ遺言者が,全文,日付,氏名を自書し,
ⅱこれに押印すること

により有効に成立します(民法968条)。

要するに,「全文と日付と氏名を手書きしたうえで押印すること」が必要なので,パソコンによる作成は認められません。

②公正証書遺言

②の公正証書遺言は,

ⅰ証人2人以上の立ち会いがあり,
ⅱ遺言者が,遺言の内容を公証人に口授し,
ⅲ公証人が,遺言者の口述を筆記し,これを遺言者及び証人に読み聞かせ,又は閲覧させ,
ⅳ遺言者び証人が,筆記の正確なことを承認した後,それぞれこれに署名・押印し,
ⅴ公証人が,民法969条が定める方式に従って作ったものである旨を付記して,これに署名・押印すること

によって有効に成立します(民法969条)。

つまり,公正証書遺言とは,「遺言者が,遺言の内容を公証人に口授し,公証人が,遺言者の口述を筆記」する遺言ですから,遺言者がパソコンを使って作成する余地がありません。

③秘密証書遺言

これらに対し,③秘密証書遺言は,

ⅰ遺言者がその証書に署名・押印し,
ⅱその証書を封じ,証書に用いた印章でこれに封印し,
ⅲ公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して,自己の遺言書である旨と,その筆者の氏名及び住所を申述し,
ⅳ公証人が,その証書を提出した日付と遺言者の申述を封紙に記載した後,遺言者及び証人とともにこれに署名・押印すること

によって有効に成立します(民法970条)。

この秘密証書遺言の場合には,パソコンで作成されていても,遺言者の署名・押印があればよく(ⅰ),その他にⅱ~ⅳまでの手続を踏むことにより,遺言として有効になります。

以上の理由から,パソコンで作成された遺言書は,「(秘密証書遺言とするための手続を踏んでいない限り)遺言書としては無効」ということになるのです。

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