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民事事件

2018年4月12日 (木)

大家さん向けの「孤独死」保険

「孤独死」保険、大家さん向け 損保大手、家賃損失など補償:朝日新聞デジタル

一人暮らしの高齢者にアパートやマンション等を賃貸している大家さんから,賃借人が物件内で孤独死した後の問題についてご相談を受けることが増えてきています。
賃借人がいわゆる「孤独死」した場合,以下のとおり,大家さんに大きな金銭的負担が生じることが少なくありません。

物件の明渡しや未払賃料,原状回復費用の請求

物件の明渡しを誰が行うか

物件内で亡くなられた方に相続人がいて,相続人が物件の明渡し作業(遺品の搬出等)を引き受けてくれる場合にはそれほど問題ありません。
ただ,相続人がいない,あるいは相続人が全員相続放棄をしてしまった場合などには,物件の明渡し作業を行う人が誰もいないことになります。

この場合に,相続人が誰もいないからといって,大家さんの方で勝手に居室内の遺品を処分することはできません。
相続人が存在しない場合には,大家さんは,家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立て,相続財産管理人に物件の明渡しを行ってもらう必要があります。

未払賃料や原状回復費用を誰に請求するか

未払賃料や原状回復費用の請求についても,相続人や連帯保証人がいて,支払いをしてくれる場合には特に問題がありません。

問題は,相続人が存在せず,連帯保証人もいない場合で,この場合についても,大家さんの方で家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立て,相続財産管理人に相続財産の中から支払ってもらう必要があります。

これらの手続の費用を誰が負担するか

亡くなられた方に相続人がいない場合,大家さんは,まず,相続財産管理人選任の申立費用を負担しなければなりません。
また,滞納賃料や原状回復費用,明渡しの費用についても,亡くなられた方に相続財産があれば,相続財産管理人が相続財産の中から支出することができますが,相続財産がなければ,大家さんが負担せざるを得なくなってきます。

そのため,最終的に,大家さんが100万円単位の金額を負担をしなければならないこともあります。

明渡し完了後の問題

また,明渡しが完了したとしても,亡くなられた状況によっては,物件の復旧や改装にさらに費用がかかったり,新たな入居者がなかなか見つからず賃料収入が得られない,入居者を確保するために賃料を値下げせざるを得ない,といった事態も想定されます。

保険による対策の有効性

このような負担が懸念されることから,一人暮らしの高齢者への物件の賃貸を躊躇される大家さんもいらっしゃいます。
記事中にもあるとおり,これらの負担をカバーする保険が普及すれば,物件を賃貸する大家さんの懸念が解消され,一人暮らしの高齢者の住居確保にも資すると考えられます。

私の場合,物件の賃貸を躊躇する大家さんからの相談を受けることもある一方で,物件への入居を断られた方から相談を受けたり,一人暮らしの高齢者の方の後見人として実際に住居を探す中で,入居先がなかなか見つからずに対応に苦慮することもしばしばあります。

保険の充実によって,貸す側も借りる側も安心して暮らすことができる環境が整えば良いと思います。

2018年4月 9日 (月)

遺産分割調停において,相手方の代償金提示額300万円→950万円に増額した事例【相続(遺産分割・遺言等)関係事件】

事案の概要

被相続人が死亡し,被相続人の子A・Bの2名が相続人となったが,被相続人とAが居住していた不動産(土地・建物)の分割方法について争いが生じた事案。

弁護活動と結果

相続人AからBに対して遺産分割調停の申立てがなされ,同調停において,AはBに対して,不動産をAが取得することの代償金として300万円を提示した。
Bから依頼を受けて受任し,調停の中で,Aが提示した代償金が不動産の価格と比べて低額過ぎることを指摘して交渉した結果,不動産をAが取得し,AがBに対して代償金950万円を支払う調停が成立した。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

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2017年2月20日 (月)

賃貸人から連帯保証人に対する滞納家賃の請求について,賃貸人の請求金額約130万円から半額に減額した事例【不動産(土地・建物,マンション,アパート等)関係事件】

事案の概要

建物の賃貸人が家賃を約18ヶ月滞納した後に破産したため,連帯保証人2名が賃貸人から滞納家賃約130万円の支払いを請求された事案。

弁護活動と結果

賃貸人から連帯保証人2名に対して,滞納賃料約130万円全額の支払いを求める訴訟を提起されたが,訴訟の中で,連帯保証契約についての書面に不備があること(保証の対象となる賃貸借契約が不明確であること等)を指摘して反論した。 その結果,連帯保証人2名で賃料約65万円(1人あたり約32万5000円)を支払う形での和解が成立した。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

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2016年10月18日 (火)

マンション内のゴミ屋敷への対処法

マンションの管理組合の方から「マンション(区分所有建物)の一室がゴミ屋敷になっていて,対応に困っている。」というご相談をいただくことがあります。

マンションの居室というのは,その区分所有者の所有物ですから,居室をどう使うかは,原則として(管理規約等に反しない限りは)その区分所有者の自由です。

しかし,建物の区分所有等に関する法律(建物区分所有法)第6条1項は「区分所有者は,建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定めています。

そのため,たとえ区分所有者が所有する居室内であっても,ゴミを堆積させる行為により,悪臭や虫害などが生じ「他の区分所有者の共同の利益」に反していると認められる場合には,ゴミを堆積させている区分所有者に対し「行為の停止,行為の結果の除去又は行為を予防するための必要な措置を執ること」を請求することができます(建物区分所有法第57条1項)

実際に,私が担当した事件でも,

①ゴミの撤去
②害虫駆除・消毒
③排水管洗浄
④消防設備点検

の実施の請求が裁判で認められ,これらすべてについて強制執行により実現した例があります。
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2016年9月23日 (金)

記事掲載のお知らせ(弁護士ドットコムライフ)

弁護士ドットコムライフに,人工妊娠中絶と損害賠償請求に関する下記の記事が掲載されました。

『心変わりした彼氏が「やっぱり堕ろして」「認知しない」…慰謝料請求できる?』

2016年7月12日 (火)

不貞行為による慰謝料請求について,相手方の請求金額から110万円を減額した事例【男女問題】

事案の概要

既婚者と不貞行為に及んだとして,依頼者が,相手方(=既婚者の配偶者)から慰謝料を請求された事例。

弁護活動と結果

相手方は慰謝料として150万円を請求していたが,交渉の結果,相手方の請求金額から110万円を減額し,依頼者が相手方に40万円を支払う形での和解が成立した。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

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婚約破棄による損害賠償を請求し,解決金200万円の支払いを受けた事例【男女問題】

事案の概要

依頼者が,交際相手から,両親の反対を理由に婚約を破棄された事案。

弁護活動と結果

相手方は,当初,解決金として50万円の支払いを提示していたが,婚約破棄に至る経緯における相手方の行動の悪質性が高いことを指摘して交渉した結果,解決金200万円の支払いを受ける形での和解が成立した。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

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採用内定の取消により,損害賠償金160万円の支払いを受けた事例【労働事件】

事案の概要

採用内定後に,会社側の都合により採用内定を破棄された事案。

弁護活動と結果

当初,会社側からは慰謝料として80万円の支払い提示があったが,採用内定後に依頼者が勤務先を退職していること等を指摘して交渉した結果,損害賠償金として160万円の支払いを受ける形での和解が成立した。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

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家賃を滞納していた賃借人から建物の明渡しを受け,連帯保証人から滞納家賃全額を回収した事例【不動産(土地・建物,マンション,アパート等)関係事件】

事案の概要

依頼者が所有する建物の賃借人が,家賃を約半年間にわたり滞納していた事案。

弁護活動と結果

賃借人と連帯保証人に滞納賃料を支払うよう内容証明郵便で催告したが,支払いがなかったことから,建物の賃貸借契約を解除し,建物の明渡しと滞納賃料の支払いを求める訴訟を提起した。
訴訟では,賃借人が建物を明け渡し,賃借人と連帯保証人が滞納賃料を分割払いで支払う旨の和解が成立した。
和解後,建物については賃借人から明渡しを受けたが,賃借人が滞納賃料の分割払いを怠ったことから,連帯保証人の給与を差し押さえ,滞納賃料全額を回収した。

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保険会社の提示額約40万円→約98万円へと増額した事例【交通事故】

事案の概要

依頼者が自転車で車道を直進中,駐車場から車道に出ようとした車に横から衝突された事案。

弁護活動と結果

相手方の保険会社からは,当初,損害賠償金として約40万円の提示があったが,交渉の結果,損害賠償金が増額され,約98万円の支払いを受けた。

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保険会社の提示額約35万円→約120万円へと増額した事例【交通事故】

事案の概要

依頼者が原動機付自転車で直進中,後方から追い越してきたトラックに接触された事案。

弁護活動と結果

相手方の保険会社は,依頼者の過失を主張し,損害賠償金として約35万円を提示していたが,訴訟を提起して争った結果,裁判所は依頼者の過失を認めず,相手方に約108万円(+遅延損害金)の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決後,相手方の保険会社から,遅延損害金とあわせて約120万円の支払いを受けた。

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2013年9月 5日 (木)

人工妊娠中絶による慰謝料請求の可否・その2

以前の記事で,中絶をした女性から男性に対する損害賠償請求を認めた裁判例2つをご紹介しましたが,これらの裁判例で具体的にいくらの損害賠償が認められたのかを簡単にご紹介しておきます。

1 東京地判平成21年5月27日
認容額:114万2302円
【内訳】
①治療費等:68万4604円÷2=34万2302円
②慰謝料:200万円÷2=100万円
③弁護士費用:10万円
④被告が既に支払った額:-30万円

2 東京地判平成24年5月16日
認容額:55万円
【内訳】
①慰謝料:100万円÷2=50万円
②弁護士費用:5万円

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2013年6月 8日 (土)

婚約破棄と慰謝料請求・その1~婚約の認定~

婚約が正当な理由なく破棄された場合,破棄された側は,相手方に対して損害賠償を請求することができます。

ただ,「婚約が正当な理由なく破棄された」というためには,その前提として,婚約が成立していたと認められる必要がありますし,婚約が成立していたことは,損害賠償を請求する側で証明しなければなりません。

この婚約成立の立証については,「結納をしていなければ婚約が成立したとは認められない」とか,「婚約指輪を贈っていなければ婚約が成立したとは認められない」といった解説もあるようですが,結納や婚約指輪がなければ婚約の成立が絶対に認められない,というわけではありません。

古い判例ですが,大判昭和6年2月20日は,

『婚姻の予約なるものは結納の取交せその他慣習上の儀式を挙げ因て以て男女間に将来婚姻を為さんことを約したる場合に限定せらるべきものに非ずして男女が誠心誠意を以て将来に夫婦たるべき予期の下に此の契約を為し全然此の契約なき自由なる男女と一種の身分上の差異を生ずるに至りたるときは尚婚姻の予約ありと為すに妨げなきものとす…』

と判示しています。

この判決の判示していることは,要するに「婚姻予約というのは,結納の取交しその他の慣習上の儀式によって将来の婚姻を約した場合に限られるものではなく,男女が誠心誠意をもって将来夫婦となるべき予期のもとに将来婚姻することを約束し,これをしていない男女と身分上の差異を生じるに至っていれば,婚姻予約が成立したと認めてよい。」ということです。

また,最近の裁判例ですと,東京地判平成24年1月27日も,

『…原告と被告Bは,平成17年2月頃から交際を始め,同棲を始めたこと,被告は一度目の妊娠をしたが中絶し,平成20年6月に再び妊娠したこと,原告は今度は子を産むこととし,先の妊娠中絶の際の約束どおり被告Bとの間で結婚することを約束したが,入籍は先にすることを合意したこと,原告と被告Bはその後も同居生活を続け,生活費の大半を原告が稼いでいたこと,原告は平成20年8月26日に交付を受けた母子健康手帳の「母(妊婦)」欄に「E」と記載したこと,原告は平成21年2月23日被告Bとの子であるDを出産したことは前記1認定のとおりである。これらの事実を総合すると,原告と被告Bとの間に平成20年6月頃婚姻予約が成立したものと認められる。』

と判示して,結納や婚約指輪の有無にかかわらず婚約の成立を認めています。

上記の大判昭和6年2月20日の判示する「男女が誠心誠意をもって将来夫婦となるべき予期のもとに将来婚姻することを約束し(た)」という事実の存在については,これを直接立証する客観的証拠はほぼ皆無でしょうから,その他の外形的な事実からその有無を推測していかざるを得ません。
もちろん,結納や婚約指輪が存在すれば,「男女が誠心誠意をもって将来夫婦となるべき予期のもとに将来婚姻することを約束し(た)」ことは強く推測されますが,これらの存在はあくまで「男女が誠心誠意をもって将来夫婦となるべき予期のもとに将来婚姻することを約束し(た)」ことを推測させる事情の1つに過ぎません。

したがって,これらが存在しなくても,その他に,「男女が誠心誠意をもって将来夫婦となるべき予期のもとに将来婚姻することを約束し(た)」ことを推測させる事情が存在すれば,婚約の成立は認められ得る,ということになります。

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2013年6月 5日 (水)

人工妊娠中絶による慰謝料請求の可否・その1

民法という法律は,主として私たちの社会生活についてのルールを定めた法律ですが,その709条は,「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と定めています(この責任を「不法行為責任」といいます)。

この条文を根拠に,中絶をした女性が,男性に対して損害賠償を請求ができるかが問題となりますが,従来は,性行為や妊娠について女性の同意がある以上,中絶もまた女性の意思決定に基づくものであるとして,男性に対する損害賠償請求は認められないとする考え方が一般的でした。

ところが,東京地判平成21年5月27日は,女性から男性に対する損害賠償請求を認め,控訴審である東京高判平成21年10月15日も,以下のとおり判示して,地裁の結論を支持しました。

『…(5)原判決一五頁三行目から一七行目までを次のとおり改める。
「しかし、控訴人と被控訴人が行った性行為は、生殖行為にほかならないのであって、それによって芽生えた生命を育んで新たな生命の誕生を迎えることができるのであれば慶ばしいことではあるが、そうではなく、胎児が母体外において生命を保持することができない時期に、人工的に胎児等を母体外に排出する道を選択せざるを得ない場合においては、母体は、選択決定をしなければならない事態に立ち至った時点から、直接的に身体的及び精神的苦痛にさらされるとともに、その結果から生ずる経済的負担をせざるを得ないのであるが、それらの苦痛や負担は、控訴人と被控訴人が共同で行った性行為に由来するものであって、その行為に源を発しその結果として生ずるものであるから、控訴人と被控訴人とが等しくそれらによる不利益を分担すべき筋合いのものである。しかして、直接的に身体的及び精神的苦痛を受け、経済的負担を負う被控訴人としては、性行為という共同行為の結果として、母体外に排出させられる胎児の父となった控訴人から、それらの不利益を軽減し、解消するための行為の提供を受け、あるいは、被控訴人と等しく不利益を分担する行為の提供を受ける法的利益を有し、この利益は生殖の場において母性たる被控訴人の父性たる控訴人に対して有する法律上保護される利益といって妨げなく、控訴人は母性に対して上記の行為を行う父性としての義務を負うものというべきであり、それらの不利益を軽減し、解消するための行為をせず、あるいは、被控訴人と等しく不利益を分担することをしないという行為は、上記法律上保護される利益を違法に害するものとして、被控訴人に対する不法行為としての評価を受けるものというべきであり、これによる損害賠償責任を免れないものと解するのが相当である(被控訴人が、条理上の義務違反に基づく損害賠償責任というところの趣旨は上記趣旨をいうものと解される。)。
しかるに、控訴人は、前記認定のとおり、どうすればよいのか分からず、父性としての上記責任に思いを致すことなく、被控訴人と具体的な話し合いをしようともせず、ただ被控訴人に子を産むかそれとも中絶手術を受けるかどうかの選択をゆだねるのみであったのであり、被控訴人との共同による先行行為により負担した父性としての上記行為義務を履行しなかったものであって、これは、とりもなおさず、上記認定に係る法律上保護される被控訴人の法的利益を違法に侵害したものといわざるを得ず、これによって、被控訴人に生じた損害を賠償する義務があるというべきである(なお、その損害賠償義務の発生原因及び性質からすると、損害賠償義務の範囲は、生じた損害の二分の一とすべきである。)…。」』

この高裁判決は,中絶により直接的に身体的及び精神的苦痛を受け,経済的負担を負う女性は,性行為という共同行為の結果として,母体外に排出させられる胎児の父となった男性から,それらの不利益を軽減し,解消するための行為の提供を受け、あるいは、女性と等しく不利益を分担する行為の提供を受ける法的利益を有しており,この利益は生殖の場において女性が男性に対して有する法律上保護される利益といって妨げないとしています。

確かに,女性が性行為や妊娠について同意や承諾をしているとしても,そのことをもって,中絶の際に男性に不利益を軽減・解消してもらい,あるいは分担してもらう権利までをも放棄したとはいえませんから,男性が不利益の軽減や解消,あるいは分担を怠った行為を違法と評価することも十分に可能でしょう。

この高裁判決の後にも,同様の判断を示した裁判例(東京地判平成24年5月16日)が現れており,今後も,女性から男性に対する損害賠償請求を認める裁判例が続くのではないかと予想しています。

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2013年5月22日 (水)

訴状を無視した場合の結末・その3

次に,被告が不在を装って訴状を受け取らなかった場合はどうでしょうか。

被告が不在を装ったとしても,調査の結果,被告がその住所に現に居住していることが確認されれば,裁判所書記官は,訴状を書留郵便等に付して発送することができます(民訴法107条1項)。
これは「書留郵便等に付する送達」とか「付郵便送達」と呼ばれる特別の送達方法で,通常行われる「郵便による送達」と名称は似ていますが,まったく別の送達方法です。

付郵便送達の場合,発送のときに送達があったものとみなされ(民訴法107条3項),現実に到達したか,到達したとしてその時期はいつか等は問題となりません。

つまり,付郵便送達が行われれば,送達があったものとみなされ,被告が訴状を受け取りながら放置しているのと同じ状態となりますので,その結論も,訴状を受け取りながら放置している場合と同様になります。
原告が,訴状において勝訴に必要十分な事実を主張している場合には,裁判所は口頭弁論を終結し,被告を敗訴させることができるのです。

訴状が届いた場合には,無視してしまうのではなく,一度弁護士にご相談させることをお勧めします。

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訴状を無視した場合の結末・その2

まず,被告が訴状を受け取りながらこれを放置した場合はどうでしょうか。

被告が訴状の送達を受けているということは,裁判所が審理を進め判決を下すことができるようになったこと(=訴訟係属)を意味します。

訴状の送達の際には,通常,第1回口頭弁論期日の呼出状や,答弁書の提出期限等も一緒に送達されますが,被告が答弁書を提出せず,第1回口頭弁論期日に出頭しなかった場合,被告は,原告が訴状で主張した事実を認めたものとみなされます(民事訴訟法159条3項。これを「擬制自白」といいます)。

そのため,原告が,訴状において勝訴に必要十分な事実を主張している場合には,裁判所は口頭弁論を終結し,被告を敗訴させることができるのです。

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訴状を無視した場合の結末・その1

民事裁判は,原告が,裁判所に「訴状」を提出することによって提起されます。

しかし,民事裁判は裁判所・原告・被告の3者によって成り立つものですから,裁判所が審理を進めて判決を下すためには,訴状が被告に「送達」されることが必要と考えられています。

民事訴訟法は,この「送達」に関する事務(書類作成等)は,裁判所書記官が取り扱うものとしていますが(民訴法98条2項),送達を実際に行うものは,原則として,郵便業務従事者または執行官としています(民訴法99条1項及び2項。)。
そして,基本的には,送達は郵便によって行われ,これを「郵便による送達」といいます。

つまり,訴訟というのは,通常であれば,訴状が被告に郵送されることによって開始されるわけですが,被告となられた方のなかには,この訴状を受け取ったまま放置したり,あるいは受取そのものを拒否される方もいらっしゃいます。

このように,受け取った訴状を放置したり,あるいは受取そのものを拒否した場合に,その後の裁判の結末がどうなるのかをご紹介したいと思います。

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