フォト

プロフィール

お問い合わせ・ご相談

  • お問い合わせ・ご相談のお申し込みにつきましてはこちらのページをご覧ください。

ブログランキング

相続・遺言

2018年4月 9日 (月)

遺産分割調停において,相手方の代償金提示額300万円→950万円に増額した事例【相続(遺産分割・遺言等)関係事件】

事案の概要

被相続人が死亡し,被相続人の子A・Bの2名が相続人となったが,被相続人とAが居住していた不動産(土地・建物)の分割方法について争いが生じた事案。

弁護活動と結果

相続人AからBに対して遺産分割調停の申立てがなされ,同調停において,AはBに対して,不動産をAが取得することの代償金として300万円を提示した。
Bから依頼を受けて受任し,調停の中で,Aが提示した代償金が不動産の価格と比べて低額過ぎることを指摘して交渉した結果,不動産をAが取得し,AがBに対して代償金950万円を支払う調停が成立した。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

(この記事をご覧になられてのお問い合わせ・ご相談はこちら。)

2016年7月12日 (火)

被相続人の死亡から4年以上が経過していたが,相続放棄の申述が受理された事例【相続(遺産分割・遺言等)関係事件】

事案の概要

被相続人の相続財産が存在しないと思っていたことから,相続人である依頼者が相続放棄等の手続をしていなかったところ,被相続人の死亡から約4年後に,被相続人の債権者から債務の返済を求められた事案。

弁護活動と結果

被相続人の生前の生活状況等から,依頼者が被相続人に相続財産がないと信じており,依頼者が相続財産の有無を調査することも困難であったことから,依頼者が被相続人に相続財産がないと信じたことには相当の理由がある旨を記載した上申書を裁判所に提出した結果,相続放棄の申述が受理された。

http://www.kyodo-lo.jp/過去の解決例/

(この記事をご覧になられてのお問い合わせ・ご相談はこちら。)

2014年2月12日 (水)

パソコンで作成された遺言書の効力・その2

前回の記事のとおり,パソコンで作成された遺言書は,「遺言書としては無効」であると考えられますが,遺言書の内容が実現される余地がまったくないわけではありません。
遺言書としては無効であっても,以下に述べる「死因贈与」の契約書であると認められるような場合には,死因贈与契約が存在すると認められる可能性があります。

死因贈与契約について

民法は,贈与契約の一類型として,死因贈与契約を定めています(民法554条)。

民法554条は「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については,その性質に反しない限り,遺贈に関する規定を準用する」と定めていますが,この規定は,死因贈与契約の効力については遺贈(単独行為)に関する規定に従うべきことを規定しただけで,その契約の方式についても遺言の方式に関する規定に従うべきことを定めたものではないとされています(最判昭和32年5月21日)。

そのため,死因贈与契約は,契約一般の原則に従い,その方式は原則として自由であり,贈与者・受贈者間において一定の財産を無償譲渡する意思の合致があれば成立します。

死因贈与契約の成立を認めた裁判例

以下では,遺言書としては無効であるが,死因贈与の契約が成立していたと実際に認定した裁判例をご紹介します。

広島高判平成15年7月9日

「…死因贈与は,遺贈と同様に死亡が効力発生要件とされているため,遺贈に関する規定が準用されるが(民法554条),死因贈与の方式については遺贈に関する規定の準用はないものと解される(最判昭和32年5月21日民集11巻5号732頁参照)。したがって,遺言書が方式違背により遺言としては無効な場合でも,死因贈与の意思表示の趣旨を含むと認められるときは,無効行為の転換として死因贈与の意思表示があったものと認められ,相手方のこれに対する承諾の事実が認められるときは,死因贈与の成立が肯定されると解せられる。
 
これを本件についてみると,前記認定のとおり,亡Dは,死期が迫っていることを悟り,死後自己所有の財産を,敢えて養子である原審原告を除外して,実子である原審被告らに取得させようと考え,本件遺言書を作成したのであり,その目的は,専ら,死亡時に所有財産を原審被告らに取得させるという点にあったこと,遺言という形式によったのは,法的知識に乏しい亡Dが遺言による方法しか思い付かなかったからであり,その形式にこだわる理由はなかったこと,そのため結局遺言としては無効な書面を作成するに至ったこと,亡Dは,本件遺言書の作成当日,Fを介し,受贈者である原審被告らにその内容を開示していること等の点にかんがみれば,本件遺言書は死因贈与の意思表示を含むものと認めるのが相当である。

そして,前記認定のとおり,原審被告Bは,本件遺言書作成には立ち会ってはいなかったものの,その直後に亡Dの面前でその内容を読み聞かされ,これを了解して本件遺言書に署名をしたのであるから,このときに亡Dと原審被告Bとの間の死因贈与契約が成立したといえる。また,原審被告Cは,本件遺言書に署名することはなかったものの,本件遺言書作成日に,病院内で,Fから本件遺言書の内容の説明を受け,これに異議はない旨述べた上,亡Dを見舞い,その際にも本件遺言書の内容に異議を述べることもしなかったのであるから,亡Dに対し,贈与を受けることを少なくとも黙示に承諾したものというべきであり,このときに,亡Dと原審被告Cとの間の死因贈与契約が成立したといえる。

以上によれば,原審被告ら主張の平成11年1月17日付死因贈与契約の成立が認められる。」

(この記事をご覧になられてのお問い合わせ・ご相談はこちら。)

2014年1月 7日 (火)

パソコンで作成された遺言書の効力・その1

日頃の業務の中で,「パソコンを使って書かれた遺言書は有効か?」というご相談を受けることがあります。

このご相談に対する答えは,
「(秘密証書遺言でない限りは)遺言書としては無効」です。

遺言の種類

遺言について定めているのは民法という法律ですが,民法は,普通方式の遺言として,①自筆証書遺言,②公正証書遺言,③秘密証書遺言の3つを定めています。

①自筆証書遺言

①の自筆証書遺言は,

ⅰ遺言者が,全文,日付,氏名を自書し,
ⅱこれに押印すること

により有効に成立します(民法968条)。

要するに,「全文と日付と氏名を手書きしたうえで押印すること」が必要なので,パソコンによる作成は認められません。

②公正証書遺言

②の公正証書遺言は,

ⅰ証人2人以上の立ち会いがあり,
ⅱ遺言者が,遺言の内容を公証人に口授し,
ⅲ公証人が,遺言者の口述を筆記し,これを遺言者及び証人に読み聞かせ,又は閲覧させ,
ⅳ遺言者び証人が,筆記の正確なことを承認した後,それぞれこれに署名・押印し,
ⅴ公証人が,民法969条が定める方式に従って作ったものである旨を付記して,これに署名・押印すること

によって有効に成立します(民法969条)。

つまり,公正証書遺言とは,「遺言者が,遺言の内容を公証人に口授し,公証人が,遺言者の口述を筆記」する遺言ですから,遺言者がパソコンを使って作成する余地がありません。

③秘密証書遺言

これらに対し,③秘密証書遺言は,

ⅰ遺言者がその証書に署名・押印し,
ⅱその証書を封じ,証書に用いた印章でこれに封印し,
ⅲ公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して,自己の遺言書である旨と,その筆者の氏名及び住所を申述し,
ⅳ公証人が,その証書を提出した日付と遺言者の申述を封紙に記載した後,遺言者及び証人とともにこれに署名・押印すること

によって有効に成立します(民法970条)。

この秘密証書遺言の場合には,パソコンで作成されていても,遺言者の署名・押印があればよく(ⅰ),その他にⅱ~ⅳまでの手続を踏むことにより,遺言として有効になります。

以上の理由から,パソコンで作成された遺言書は,「(秘密証書遺言とするための手続を踏んでいない限り)遺言書としては無効」ということになるのです。

(この記事をご覧になられてのお問い合わせ・ご相談はこちら。)